町田徹のホームページへようこそ
トップページへ



インターネットラジオ・有志のブログなどでの活動
執筆記事2009
執筆記事2008
執筆記事2007
執筆記事2006
執筆記事2005
新聞・雑素・テレビでのコメント
著作一覧
最近の出来事
Bookreview
コンタクトはこちらから



日本版FCCをめぐる議論の行方

 原口総務相の持論である日本版FCC(米連邦通信委員会)の新設を検討するフォーラムが設置された。FCCという言葉にアレルギー感情を抱く総務官僚、電気通信業界、放送業界も、「言論の自由の砦を作りたい」という原口大臣の主張に、反対の鉾を収め、議論を静観する姿勢を取っている。

テレコミュニケーション January 2010


鳩山「ばらまき政治」将来に重いツケ

 鳩山政権は「景気テコ入れ」の美名のもとで、ばらまき型の来年度予算を編成する構えだが、これは大変な間違い。日本の弱点が先進国で最悪の財政赤字にあることを自覚し、その打開に精力を傾けるべきだ。世界に例のないスピードで進む少子高齢化の中、日本の将来が押し潰されかねない。

夕刊フジ 2009/12/17


混迷深まる普天間問題 

 鳩山政権の安易な「白紙撤回」方針が仇になり、普天間飛行場の移転問題は、地元住民に忍耐を強い続ける事態を招きかねない状況に陥っている。10年以上をかけて合意にこぎ着けた辺野古移転計画を本気で白紙撤回するなら、政権は最優先で米国にその意思を伝える義務もあった。

夕刊フジ 2009/12/10


亀井「郵政改革」の舞台裏

 亀井郵政改革担当大臣は、就任から2ヶ月足らずで、鳩山内閣での比類なき権勢を強く誇示してみせた。西川善文氏を日本郵政社長の座から追い落とし、後任に斎藤次郎氏を据えると、徹底して親自民、親小泉、親竹中の人材を排除、反自民、反小泉、反竹中の人材で固める人事を断行した。

世界(2010 January)


「常識無視」西川氏の古巣復帰

 幹部が突然、ライバル会社に移籍したら?西川善文氏は、日本郵政の社長を辞任した、わずか4日後に古巣の三井住友銀行の顧問に就いた。三井住友銀は、銀行法の下でゆうちょ銀行と競うライバルであり、西川氏はそのゆうちょ銀を100%子会社として傘下に持つ日本郵政の社長だった。

夕刊フジ 2009/12/3


翻弄される最前線の現場 振り回された人事と凍結法

 日本郵政代表執行役副社長と郵政事業会社社長を兼務していた團宏明氏が、西川‐高木ラインと同列に扱われて退任を余儀なくされる一方、旧大蔵省と財務省の出身者を日本郵政のトップ2に押し付けられ、臨時国会では「郵政株式処分凍結法案」が自民党を分裂に追い込む政争の具にされた。

通信文化新報 2009/11/30


「事業仕分け」は焼け石に水

 事業仕分けは、これまでほとんど公開されてこなかった予算編成プロセスを公にしたことで人気を博している。しかし、事業仕分けによる歳出削減規模(約1兆3000億円)では焼け石に水。次回からは、概算要求の段階で、歳出を税収の身の丈に応じた規模に抑える義務が政権にはある。

夕刊フジ 2009/11/26


憂慮される「ドット日本」の遅れ

 総務省は「.日本」ドメイン実用化へ向けた管理・運用体制づくりをしてきたが、主体となるべき民間の日本インターネットドメイン名協議会で、人事や事務局の権限・方針などを巡り対立が表面化、環境整備が進んでいない。「.日本」を管理・運用する権利を海外勢に奪われかねない。
 
テレコミュニケーション December 2009


「つなぎ融資」だけでは救えないJAL

 政府は企業再生支援機構に再建を支援できるか査定を命じ、その実現のめどがまだないのに、政府系金融機関による時間稼ぎの「つなぎ融資」を始めた。その一方で、政府は機構が支援できない事態に備えた手は打っておらず、いずれ血税が無駄に投入されるリスクが高まっている。

夕刊フジ 2009/11/19


「ユニゾン」インサイダー容疑の衝撃

 投資先の企業の成長を株主の立場で支援し、株式の値上がり益を得る「バイアウト」型投資ファンドの草分け「ユニゾン・キャピタル」が、元パートナーのインサイダー取引容疑で強制捜査を受けた。運用のプロの嫌疑は、ファンドを経由して流入する海外マネーの日本離れを招く恐れもある。

夕刊フジ 2009/11/12


JAL問題で露呈「新お友だち内閣」リスク

 日本航空の再建プロジェクトの担当は、国交相の私的組織であるチーム前原から、企業再生支援機構に変わった。変更はやむを得ないが、その理由と責任を明確にしなかったことは許されない。身内の失態をかばい合い「お友達内閣」と呼ばれた安倍内閣の轍を踏まないことを願う。

夕刊フジ 2009/11/5


JALなぜ血税が必要になったのか

 「JAL問題の解決に公的資金投入は不可欠だった」との情報が流布されているが、誤報である。現経営陣の再建策は9月下旬に合意寸前で、年末の資金繰りのめどはつきかけており、公的資金は必要なかった。これを何の検証もせず「白紙撤回」してぶち壊したのが、前原国交相だ。

夕刊フジ 2009/10/29


郵政改革の基本方針 財政基盤の強化が重要課題

 日本郵政グループは貯金と保険をユニバーサルサービスの対象に加えた新たな民営化を模索することになった。元大蔵事務次官を社長に招へいし、ゆうちょ、かんぽのグループ内への引き留め策をとったとしても、日本郵政グループの経営が安泰になると喜べる戦略にはなりそうもない。

通信文化新報 2009/10/26


新政権の情報通信政策に注目

 原口総務大臣は「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」を10月中に設置して、ユニバーサルサービス制度の在り方や、ICT産業の国際競争力の強化、競争政策のレビュー・見直しとあわせて、NTTグループの在り方をめぐる問題も議論するとの方針を発表した。

テレコミュニケーション November 2009


JAL信用不安招いた前原国交相の「責任」

 前原国交相が藤井財務相と会談し、日本航空への公的資金(税金)投入や債権者への債権カット強要が模索されることになった。失言を繰り返したうえ、法的根拠もないのに私的チームを使って「自主再建」に失敗、JALの信用不安を煽った、前原大臣の政治責任はあまりにも重い。 

夕刊フジ 2009/10/22


JAL再建を迷走させる前原国交相「三つの大罪」

 日本航空の再建策を巡る前原国交相の行政手腕に疑問符が付き始めた。第一の失政は、不用意な緊急会見でJALの信用不安を招いたこと。次に、公的資金による支援の要請を突き放し、政府はJALを見放したと受け止められたこと。さらに、解体・転売を得意とする再生タスクフォースの人選だ。

フライデー(2009/10/30)


原口総務相にインタビュー「郵政見直しは国民の権利守るため」

 (大臣)郵政の抜本見直しは大変重要。経営基盤が脆弱なのに、来年から株式を売り出して上場しようという現行法に歯止めをかけ、全国あまねく公平に、一つの郵便局で郵便、貯金、保険のサービスを一体的に受けられるようにする必要があります。一番大切なのは財政基盤の確立です。

夕刊フジ 2009/10/15


高くついた三井住友の日興買収

 三井住友銀行(SMBC)が日興コーディアル証券の買収を完了した。取得代金は5748億円、日興保有の現金は対象から外れ割高感を免れない。日興には主力のリテール部門が非力という弱点もある。大和証券と提携解消に至ったSMBCは、強い証券部門の構築に多くの課題を抱え込んだ格好だ。 

夕刊フジ 2009/10/8


JAL再建国交相チーム介入は勇み足

 前原国交相は、自民党政権時代から続く日本航空の再建策作りを白紙に戻した。血税を無駄にしないためこの決断を称えたいが、大臣のチームが再建策を作るのは政府による法的根拠のない民間企業への介入であるばかりか、JALの「親方日の丸」体質を温存させることになりかねない。

夕刊フジ 2009/10/1


4分社化見直しのあり方 ユニバーサルサービス堅持の仕組みを

収益力・成長力に乏しい日本郵政の経営は、西川社長の辞任だけでは解決しない。郵便局会社と郵便事業会社を持ち株会社と統合し、ゆうちょ銀行とかんぽ生命から安定的な配当収入や業務の発注を受けられる仕組みと、外部相互補助方式のユニバーサルサービスファンドの構築が必要だ。

通信文化新報 2009/9/21


現実味帯びる携帯接続料引き下げ

 総務省は、接続政策委員会がまとめた答申案で、通信回線の接続料について、営業費をやみくもに接続原価に足しこむ行為を慎ませる方向を鮮明にした。これにより、新ガイドラインの設置で、接続料が来年度から「数十%」程度引き下げられても不思議はないとの期待が高まっている。

テレコミュニケーション October 2009


新政権発足で進退窮まる西川郵政社長

 民主、社民、国民新の3党連立内閣は、日本郵政の西川善文社長に辞任を勧告する方針だ。また、10月召集の臨時国会では、日本郵政などの株式売却を凍結する法案と、郵政改革基本法案の2つを提出するという。食い物にされてきた郵政グループの抜本的な立て直しを期待したい。

夕刊フジ 2009/9/17


鳩山初外遊への期待と不安

 鳩山氏の論文が、趣旨はおかしくないのに米国人の反発に遭ったのは、米国人が咀嚼できない表現を用いたのが原因。新首相として臨む一連の国際会合で同じ轍を踏んではならない。温暖化予防では踏み込んだ提案をしてほしいが、25%削減を国際公約するのは外交下手のやることだ。

夕刊フジ 2009/9/10


鳩山政権待ったなし3つの課題

 経済は生き物だ。鳩山政権には待ったなしの問題が3つ存在する。何より重要なのが、政策の要となる2010年度予算。経済危機が癒えぬ中、牽引役の政府支出に滞りが無いよう、今年度内の編成が絶対に必要だ。また、郵政人事、日本航空(JAL)の経営問題も、新政権の試金石になる。

夕刊フジ 2009/9/3


問題多い郵政・日通の宅配便統合

 日本郵政グループは、佐藤総務大臣が再検討を求めた日通との宅配便事業統合を進めようとしている。日本郵政のコスト負担が大き過ぎるため、過疎地の郵便局ネットワークの維持に影響しかねないと懸念される案件だ。西川社長は、続投を認めた大臣に恩をあだで返すつもりらしい。

夕刊フジ 2009/8/27


クラウド時代に向けた総務省の課題

 総務省では、クラウドコンピューティング時代に向けて、4つの政策づくりが進行中だ。米国に集中しつつあるデータセンターの誘致のほか、行政コストを節約する「霞が関クラウド」と「自治体クラウド」の構築、技術の活用・標準化やユーザー保護などの総合的な政策の構築だ。

テレコミュニケーション September 2009


JPエクスプレスを急ぐ不思議 多い不自然・不透明な問題

 日通との宅配便事業統合には、当初から問題が多かった。引責退任する予定の「チーム西川」が決めた提携である点、総務大臣の認可が不要になる形にスキームが変更された点、そして、コスト負担やキャッシュマネージメントへの不安などに是正策が講じられていない点である。
 
通信文化新報 2009/8/24


KDDIケータイ低迷の真相

 月間純増数で業界最下位に甘んじることが珍しくないKDDIの携帯電話「au」。小野寺社長は決算発表の席で、不振の原因を「MVNO(仮想移動体通信事業者)のお客様の数」と語ったという。MVNOとは携帯電話ネットワークの卸売りで、総務省が積極的に振興したものだ。

夕刊フジ 2009/8/20


プリウス絶好調トヨタの死角

 ハイブリッド車「プリウス」が新車販売ランキングで3ヶ月連続の首位の座を獲得したトヨタ。だが、業績回復ではライバルに遅れをとった。ホンダの「インサイト」を狙い撃ちするかのような価格攻勢をかけているとされるが、ハイブリッド車全体の振興に注力すべきではないか。

夕刊フジ 2009/8/13


自民党マニフェストの「先祖返り」

 自民党はマニフェストに「経済成長政策」の項目を立てた。苦しい時の経済対策頼みは、自民党の得意の手法だが、麻生首相は経済対策を売り物にしようと大判振る舞いに走り過ぎた。財政を危うくした首相に、民主党のマニフェストを「財源が曖昧で無責任」と批判する資格はない。

夕刊フジ 2009/8/6


FX事件の背景に「行き過ぎた規制緩和」

 90年代後半の金融ビッグバンで、特定行だけに外為業務を認める「為銀主義」を廃止しながら、代わりに整備すべき参入審査制度を設けなかった結果、悪質業者がFX取引に参入して多くの投資家が被害を受けた。「行き過ぎた規制」が「行き過ぎた規制緩和」を招いたのだ。

夕刊フジ 2009/7/30


続投西川郵政が抱える最大のリスク・深まる利益誘導“疑惑”

 西川社長は就任以来、ゆうちょ、かんぽ、日本郵政の早期上場を経営目標として公約してきた。しかし、実際は不祥事が相次ぐ一方で、業績が低迷している。また、社長続投の条件とされ、佐藤総務大臣にも約束した「チーム西川」の処分問題は、進展のないままになっている。

通信文化新報 2009/7/27


再び高まる無線の成長期待

 総務省の報告書から、2020年にかけての産業振興策で、同省が無線に軸足を置いていることが浮かび上がった。国内のワイヤレス市場は現在の25兆円から80兆円へ、輸出市場は現在の2兆円弱から機器だけで8兆円、アプリケーションも含めれば25兆円規模に拡大を目指すという。

テレコミュニケーション August 2009


中国にノーと言えない日本

 米国とEUは、中国が輸出規制によって鉱物資源を囲い込もうとしていることが世界の資源市場を歪めているとして、世界貿易機関(WTO)提訴に踏み切った。日本政府は米国から共同提訴を持ちかけられていたが、断念したという。こうした“事なかれ”外交で生き残れるのか。

夕刊フジ 2009/7/23



ウィンドウズ7Vsクローム「信頼性」と「無償」の争いに

 マイクロソフトが「ウィンドウズ7」の発売を発表した直後、グーグルはネットブック用の新OS「グーグル・クロームOS」投入を公表、いずれ普通のパソコン用も供給するという。クロームOSの最大の特色は、広告とバンドルすることで、OSを無償で利用できる点だ。

夕刊フジ 2009/7/16



1542億報奨金頼みの郵便局

 郵便局会社は昨年度、ゆうちょ銀から6481億円の手数料を得ており、うち1542億円は報奨金。この報奨金がないと、1100億円を超す巨大赤字を生んでいた。民営・日本郵政では、貯金、投信、保険の各残高が減り、郵便の売り上げも落ち込んでいるのが、経営の実態なのだ。

夕刊フジ 2009/7/9


「骨無し」になった麻生財政

 麻生内閣の「骨太の方針2009」に財政再建の目標を達成する明確な方策が盛り込まれていないことは深刻な問題だ。08年の日本の債務残高は、対GDP比で170%超。だが「骨太09」は歳出削減努力に言及していないばかりか、事態の深刻ささえ十分に説明していない。

夕刊フジ 2009/7/2


経営責任を不問にする麻生首相

 日本郵政の発足から1年半が経過しても中期経営計画を公表してビジネスモデルを提示することができないばかりか、相次ぐ不祥事に関する疑惑の解明も中途半端なまま、西川社長は続投の認可を得た。鳩山前総務大臣を更迭した麻生首相だが、内閣支持率は20%を割り込んだ。

通信文化新報 2009/6/29


温暖化麻生案に各国猛反発のワケ

 首相の「温室効果ガス排出を2005年比で15%減らす」中期目標は、各国から酷評された。失敗の陰には、各国のカネ勘定優先の本音への認識不足がある。自助努力での削減を目指す姿勢を打ち出したため、「日本に巨額の排出権を買わせ続けたい」各国が苛立ったとみられる。

夕刊フジ 2009/6/25


クラウドに向けて動き出した総務省

 総務省は、本格的なクラウドコンピューティング時代に備えて、国内の通信事業者の立場に沿った普及・振興策を検討し始めた。海外からのトラフィックの急膨張で、日本がデータセンター事業関連のビジネス機会、通信事業者の収益機会を失っているとの問題意識がある。 

テレコミュニケーション July 2009


胆力の無さ露呈した首相

 相次ぐ不祥事のけじめを問われていた日本郵政の西川社長の経営責任を不問に付し、小泉元首相ら上げ潮派の横車に屈して鳩山前総務相を切り捨てた麻生首相。保身に汲々とする弱さが、政権の命取りになりかねない。国民からの最後の審判は下ったのではないだろうか。

夕刊フジ 2009/6/18


民営化は失敗したのか 西川×鳩山「日本郵政」最終決戦

 一連の騒動では、一企業の社長人事が首相官邸を揺るがし、所管大臣の罷免や、政局まで取り沙汰されている。これは異常だ。そうした事態の背後で、誤った民営化から果実を得た勢力が、権謀術数を駆使し、既得権を守ろうとしていることを見過ごしてはならない。

文藝春秋 2009年7月号


GM国有化 オバマの危険な賭け

 オバマ政権は、連邦破産法11条に基づくゼネラル・モーターズ再生を支援するため、同社の国有化を決めた。経済危機の悪化を防ぐには他に選択肢がなかったものの、議会や労働組合、ディーラーの抵抗は大きく、売れ筋の車もない。血税を回収できないリスクが残っている。

夕刊フジ 2009/6/11


“ガラパゴス”脱出図る国内携帯メーカー

 オープンOSを搭載したスマートフォンを突破口に、世界市場へ飛び出す携帯メーカーが現れた。東芝は、欧州向けに2009年度で200万台の出荷を見込む。アクオス携帯での中国進出を表明しているシャープも、オープンOS搭載のスマートフォンを第二の柱に育てる方針だ。

夕刊フジ 2009/6/4


西川社長の続投にノーと言えない麻生首相

 鳩山総務大臣は西川社長の続投に難色を示しているが、麻生首相の頭の中は、一日でも長く首相の座にとどまることが最優先らしい。西川氏を支持する「上げ潮派」の圧力に震え上がり、側近に「政局だけは避けてくれ。鳩山大臣を抑えてほしい」と泣きを入れた。

通信文化新報(2009/6/1)


日本郵政・西川社長続投意欲の背景

 西川氏に退任を促したはずの社外取締役が翻意し、指名委員会は全会一致で社長続投を支持した。背景には、上げ潮派の有力代議士や、小泉元首相の動きがあったという。不祥事続きで内部統制もガバナンスも欠く経営を支持することは、「民営化」でも「改革」でもない。 

夕刊フジ 2009/5/28


不評の競争政策、中国が導入協力要請

 中国政府が、日本に携帯電話の競争政策についての情報開示を要望してきた。背景には、第三世代携帯電話(3G)のサービス開始にあたり、競争メカニズムを導入して「料金の低廉化やサービス多様化を進め、市場全体の成長につなげる狙いがある」(総務省中堅幹部)という。

テレコミュニケーション June 2009


地デジ日本規格ペルーで薄氷の勝利

 ペルーの地上波テレビ放送のデジタル化をにらんだ規格競争で、日本方式がEU、米国、中国の3方式を抑えて勝利した。欧州方式に豪・アジア諸国を奪われ、南米を決戦の地としてからブラジルに次いで2カ国目。輸出競争力を左右しかねないだけに、負けられない戦いが続く。

夕刊フジ(2009/5/21)

参考人問題の経緯と日本郵政の姿勢

 西川善文社長が率いる日本郵政は、「かんぽの宿」問題の疑惑追及のために国会に招致された参考人に対して“圧力事件”を起こし、公式謝罪に追い込まれた。今回のような行為が、日本郵政の社会的使命や目指すべき経営に合致するかどうかを考えていただきたい。

通信文化新報(2009/5/18) 

国会で日本郵政幹部告発を検討

 税制上の資産価値が800億円超の「かんぽの宿」を108億円で売ろうとしたのは特別背任未遂ではないか、また総務省の調査に対し日本郵政株式会社法(第21条)違反がなかったか――民主、国民新、社民の野党3党は、告発を検討中。官邸・総務省も経営刷新を模索している。

夕刊フジ(2009/5/14)


地デジ対策、争点は財源確保

 2009年度補正予算案は、インフラ軽視の風潮が響き、ブロードバンド・ゼロ地域解消と携帯の不感地域解消加速の予算は小振り。唯一健闘した地上デジタル放送への移行対策の強化(総額900億円)も、大半がエコポイントによる支援で、需要喚起手段としては効果が薄い。

テレコミュニケーション May 2009


国会で陳謝した日本郵政西川社長

 日本郵政が筆者に圧力をかけた問題について、衆院総務委員会で質疑に立った松野頼久議員は、西川社長から謝罪の言葉を引き出し、同社長はあわせて筆者にも「手紙で謝罪する」と明言した。(※しかし、1週間が経過しても、謝罪の手紙は筆者の元に届いていない)。 

夕刊フジ(2009/4/23)


前代未聞 圧力事件と疑惑 西川日本郵政の傲慢

 4月17日。衆議院総務委員会は、西川社長を参考人招致し、公式に謝罪させた。筆者(町田徹)が日本郵政の疑惑を追及した衆議院での参考人陳述(3月17日)に関して、院外で直接圧力をかけてきたことを、「言論の府としての立法府を守る立場」から許さなかったのだ。

週刊朝日(2009/5/1)


日本郵政「出来レースのデパート」

 業務改善命令で一件落着とはいかない日本郵政の問題。国会で「かんぽの宿」問題に「背任ではないか」との指摘がなされたほか、メルパルクの運営委託や、自前のクレジットカード発行での提携などで「企画コンペ」方式が採用され、選定過程に不自然さが漂う。

夕刊フジ(2009/4/16)


楽天・三木谷社長の「敗戦責任」

 楽天はTBSの“敵対的経営統合”を巡り、株主総会での委任状争奪戦に破れて勝ち目を失いながら、撤退の決断が遅れたことで損失が拡大、株式売却損失は700億円前後にのぼる見通しだ。三木谷社長は戦いに敗れた事実と原因を説明し、信頼回復を図るべきだろう。

夕刊フジ(2009/4/8)


野村HD本当の「急所」

 巨額赤字を計上し、株価が急落する中で、強引にも見える資金調達を繰り返した野村ホールディングス。収益・財務を危ぶむ声も聞かれたが、大型増資の成功は調達力が衰えていないことを証明した。新たな成長を期すには、保守的なカルチャーの転換が課題だ。

夕刊フジ(2009/4/2)


副作用大きい株価対策

 上場投資信託(ETF)に転換可能な政府保証債を発行し、調達した資金で株式を買い上げる仕組みを導入する案がくすぶっているが、介入は市場機能を麻痺させる弊害を生む。法人税の低減や消費税の減免、証券税制改革などの方が、株価対策として賢明だろう。

夕刊フジ(2009/3/26)


注目される補正予算論議

 補正予算論議が解禁になり、情報通信・放送分野では、ブロードバンド、携帯のインフラ整備への支援、地上波デジタル放送の普及後押し、ICTを活用した地域社会の活性化、電波利用の研究開発の支援などの実現を要求していくことなどが議論されている。

テレコミュニケーション April 2009


大再編続く損保の危機感

 損害保険ジャパンと日本興亜損害保険が統合を発表、業界の6社体制は終わり、ビッグ3が9割超のシェアを握るだろう。ただ、両社が並列で持ち株会社にぶら下がる態勢では統合効果は小さい。早期の完全統合など大胆な戦略を迫られる場面もありそうだ。

夕刊フジ(2009/3/19)

日興コーデ売却が進まぬ真相

 売却報道とは裏腹に、日興コーディアル証券はメガバンクと真剣に売買を検討する約束(レター・オブ・インタレスト)を交わしただけ。売却を急げば3月決算で巨額の売却損の発生が見込まれ、シティ本体の完全国有化の可能性もあって予断を許さない。

夕刊フジ(2009/3/12)


「天下り」「渡り」に国民の声を

 公務員の天下りや渡りのあっせんには法律上、第三者の承認が必要なのに、政府は政令で総理が代行できる仕組みにしてしまった。問題の政令に関して政府はパブリックコメントを募集中で、渡辺元行革担当相は国民の意見表明を呼びかけている。

夕刊フジ(2009/3/5)


霞が関ドサクサ紛れ「大暴走」官邸の主導権をちゃっかり握った財務省

 2月3日の「国家公務員制度改革推進本部」会合では、与謝野経済財政担当相が財務省の意向に沿って予定外の発言をし、麻生首相はすりかえられた「総理御発言案」の原稿をそのまま読み上げて、人事院を特別扱いすることを認めてしまった。

週刊文春(2009/3/5)


疑惑深まる「かんぽの宿」問題

 そもそも、かんぽ生命から「かんぽの宿」を切り離し、5年以内に売却すると決めた背景はベールに包まれたまま。なぜ、担当大臣だった竹中平蔵氏らは、日本郵政に資産売却のフリーハンドを、あえて西川善文氏に与えたのか。真意を質すべきだ。

夕刊フジ(2009/2/26)


大幅見直しなるか「接続ルール」

 総務省は「接続ルール」の大幅見直しの要否を問うパブリックコメントを募集した。巨大市場に成長したモバイル分野は比較的、開放義務が緩く、MVNOでの新たなビジネス機会の確立のためにモバイルの接続ルールを見直すことなどを検討する。

テレコミュニケーション March 2009



目に余る郵政の「厚化粧」

 4社体制の下、投資延期や「ミルク補給」などの「厚化粧」決算をしてきた日本郵政。グループの利益の過半を稼ぎ出すゆうちょ銀行を上場させて切り離すと、残るグループ会社は行き詰まりかねない。問題に蓋をせず、機動的に是正すべきだろう。

夕刊フジ(2009/2/19)


将来不安な20代男の「国ごもり」

 前途ある若者、それも男子の海外旅行が年々低下の一途をたどっている。背景には「失われた15年」の中でシワ寄せを食ったこの世代の収入の問題がある。国際化は避けて通れない課題だけに、海外で見聞を広める機会を増やす政策支援が望まれる。

夕刊フジ(2009/2/5)


どちらに軍配「かんぽの宿」売却

 鳩山総務相の「売り急ぐ必要はない」との主張に、日本郵政は不採算事業で負担と答弁するが、赤字で廉価でしか売れないなら西川社長らの責任も問われるべき。入札の透明性にも疑問が残る。国民の資産を有効活用できる透明なルールが必要だ。

日経ビジネス 2009/2/2


「かんぽの宿」大新聞がおかしい

 かんぽの宿のオリックスへの一括売却に待ったをかけた鳩山総務相に、日経と朝日が社説で批判を展開した。しかし、認可権を持つ大臣が疑問を持てば、調べるのは当然。売却価格の検証をすることもなく大臣批判に走るのは不見識だろう。
週刊文春 2009/2/5


小泉ではスルー、麻生にはノー 公務員改革で人事院「二枚舌」

 谷人事院総裁は、甘利行革担当相に、改革の要とされる内閣人事局への機能移管にノーを付き付けた。政治からの独立性確保のためというが、勢い盛んだった小泉政権当時には不透明な人事に見て見ぬフリをした例もあり、筋が通らない。
夕刊フジ 2009/1/29


期待される「IT新改革戦略」刷新

 経済危機に対応して、政府の「IT戦略本部」は新戦略を繰り上げて刷新する方針だ。普及が進まない「電子政府」の見直し、使いやすいシステムの開発のほか、競争力維持のためにクラウドコンピューティングへの対応も課題とされる。
テレコミュニケーション February 2009


ワンセグ海外進出が進まぬ理由

 欧米との商戦を制し、ブラジルで日本方式の地上デジタル放送の導入に成功したものの、日本製のワンセグ携帯を供給するのは一社だけで、韓国勢に後れを取った。国内の携帯市場は飽和状態にあり、困難は伴うが、海外進出しか活路はない。
夕刊フジ 2009/1/22

「かんぽの宿」で浮上、郵政の矛盾

 かんぽの宿をオリックスグループに売却する計画は、鳩山総務相の反対で風前の灯に。郵政民営化では、10億円未満の不動産売却が許認可の対象外で、出向者の派遣元企業への一括売却や不透明な短期間での転売が横行してきた事実がある。

夕刊フジ 2009/1/15


麻生政権で復活する官僚と族議員

 国家公務員制度改革が骨抜きにされ、官僚や抵抗勢力に手を貸す麻生政権の体質が浮き彫りになった。どさくさに紛れて、旧来型の公共事業の復活を目指す「道路、農林、文教族らが舌なめずりして」おり、監視役は国民しかいないのが実情だ。

夕刊フジ 2009/1/8