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虫が良すぎる東電の値上げ

 福島の原発事故が原因で火力発電の燃料コストがかさんでいることを理由に、東京電力は電気料金を引き上げる方針を表明した。事故賠償や除染、再生可能エネルギーで作った電気の買い取りなど、値上げ要因は目白押し。マスコミが報じる国有化にも、問題を増幅し泥沼のような国民負担を招くリスクが秘められている。
夕刊フジ 2011/12/29


お手盛りだったオリンパス第三者委調査

 膨大な損失を闇から闇に葬ろうとしたオリンパスが、同社の第三者委員会の調査報告を土台にガバナンスを立て直し、経営を再建しようともがいている。しかし、今回の調査報告は問題を徹底的に究明したとは言えない。株主が総会で経営の刷新や問題究明、ガバナンスの確立を迫らない限り、同社の再建は難しそうだ。
夕刊フジ 2011/12/22


「不良債権化」深刻な福島第1原発

 政府は、膨大と見込まれる関係コストの実態をひた隠しにしたまま、安易な東京電力の経営支援に乗り出した。本格的な処理には、バブル期の銀行を上回るマネーが必要だとの見方もある。にもかかわらず、実態を開示せず、問題先送り型の対応をしている政府、東電の姿勢は、1990年代の不良債権問題を彷彿させる。
夕刊フジ 2011/12/15


携帯周波数めぐり大臣の「造反」

 政権発足から約100日。野田佳彦首相が鼎の軽重を問われる事態に直面した。携帯電話の周波数オークションの導入前倒し方針を拒否している川端達夫総務相の造反劇がその核心だ。天下り団体への巨額の資金供与をもくろむ総務官僚たちに踊らされている大臣を首相はどう扱うべきなのだろうか。
夕刊フジ 2011/12/8


オリンパスの上場廃止が重要な理由

 金融庁や東京証券取引所は上場廃止に慎重だが、投資の失敗によって含み損を抱えた有価証券を簿外に放置する「飛ばし」で90年代から損失を隠し続けた挙句、価値のない企業を約1400億円も投じて買収。その資金で穴埋めして、問題を闇に葬ろうとした行為に、酌量の余地があるという論理が内外に通用するとは思えない。
夕刊フジ 2011/12/1


周波数「疑似」オークションの実態

 総務官僚が、ソフトバンクかイー・アクセスから最大2100億円を吸い上げて、OBたちの天下り財団などで山分けしようとしている事実が浮かび上がってきた。しかも、資金の源は、本来、増税額を1〜2兆円も減らす価値を持つ国民資産の周波数だ。問題になっているのは、経済価値の高い900MHz帯の周波数だ。
夕刊フジ 2011/11/16


風力発電振興策と不良債権の関係

 「みずほは再生可能エネルギー振興策を食い物にするつもりか」―みずほFGに対する不信の発端は、日本風力開発の経営危機に改善がみられないこと。みずほ銀行が同社の社債を引き受けた直後に経営危機が発覚したが、みずほコーポレート銀行は風力発電の普及振興策を求めるリポートを作成、ロビイングをした。
夕刊フジ 2011/11/10


日本史の英雄に学ぶTPP対応

 野田首相がAPECでTPP交渉への参加を表明する公算が高まる中、農業、医療関係者らの反対運動が盛り上がりを見せている。古来、日本では家康、龍馬ら多くの指導者が、国の繁栄と庶民の生活向上のため、貿易を重視してきた。これを貴重な教訓にして、反対派の各論には解決策を見つけられるはずである。
夕刊フジ 2011/11/3


郵政改革法案の死角

 審議の機運が出てきた郵政改革法案には、国民新党が旧全特を票田に取り込もうと盛り込んだ問題点がある。これを修正しないと、経営の自主性と機動性を奪い、効率と成長の足かせになりかねない。それでは、上場への道を閉ざし、政府保有株の売却もおぼつかない。与野党は、公益の観点から修正を実現すべきだ。
夕刊フジ 2011/10/27


効果少ない除染拡大は安易な人気取り政策だ

 福島第1原発が撒き散らした放射性物質の除染が、法外な国民負担を招く懸念が強まっている。被災地の苦境に対して必要な措置を取るのは当然だが、それを人気取りの道具として不必要なバラマキを行うような政策は断固排除すべきである。はからずも、IAEAの報告書はその問題を指摘する内容となった。
夕刊フジ 2011/10/20


反国民的な東電擁護報告

 破綻して当たり前の東京電力を擁護するため、泥沼の賠償リスクを隠したまま、原発の再稼働と10%値上げという救済策を国民に強要する―。ひと言でいえば、政府の第三者委員会の報告は、反国民的な内容だ。こんな公的支援は一刻も早く白紙撤回し、東電に自己責任を果たさせるのが筋である。
夕刊フジ 2011/10/13


東電第3者委報告の問題点

 東電の経営実態を調査してきた政府の第3者委員会が、審議中から、電気料金の決定に関して過去10年間に6186億円ものコストの水増しがあったと断じたことは有耶無耶にできない問題だ。政府は支援を凍結し、トップの経営責任と経済産業省の監督責任を追及するのが筋だろう。発電所を含む資産売却も迫るべきだ。
夕刊フジ 2011/10/6


新日鉄との合併新社名に見る住金・友野宏社長の決断

 「新日本住金」という新社名には、新日鉄を合併に駆り立てた住金・友野社長の覚悟と決断が秘められている。今回の合併話は、1999年の「ゴーン・ショック」に遡る。2002年には資本・業務提携。以来、両社は信頼関係を深め、今回、雇用を守るため海外に成長機会を求めるパートナーとしてお互いを選んだという。
夕刊フジ 2011/9/29


首相は日本郵政株売却断行を

 野田首相が国会で日本郵政株売却による税外収入の確保に意欲を示す答弁をしたことに、「財務官僚たちが慌てた」という。寄り道せずに増税したいというのが財務官僚たちの本音だというのだ。官僚のサボタージュを許さず、「税外収入のエース」と期待される電波オークションの導入も議論してもらいたい。
夕刊フジ 2011/9/22


大和・野村株価逆転の背景

 野村の株価急落の直接の原因は、米連邦住宅金融庁による損害賠償請求訴訟で、経営悪化が懸念されたことだった。だが、大和との収益力格差が縮小しているのも事実。世界では証券会社の独立自営が難しくなったと見る風潮が強い。野村、大和には証券業の独立や市場の活性化の旗手として再起を果たしてほしい。
夕刊フジ 2011/9/15


政商・孫正義の野望

 東京電力の福島第一原子力発電所の大惨事で広がった国民の原子力への不安に乗じて「太陽光発電や風力発電の伝道師」にのし上がり、廃案寸前だった「再生可能エネルギー特別措置法」の成立の立役者になったソフトバンクの孫正義社長。しかし、そんな孫社長も、一皮むけば、哀れな被害者かもしれない。
文藝春秋(2011年10月号)


野田新首相「どじょう」の裏の顔

 民主党の代表選での演説がきっかけで「どじょう」という泥臭いニックネームが定着しそうな野田佳彦新首相だが、実はまったく異なる一面を持つ。「段取りが大切」という口癖にも表れているように、首相は対話と相互理解を通じた合意形成を目指すスマートな政治家なのだ。民主党政治を変えるかもしれない。
夕刊フジ 2011/9/8


菅前首相が残した「負の遺産」

 菅前首相がようやく辞任表明したが、退陣の条件とした3法は、新たな負担として国民の肩にのしかかってくる。その最初になりそうなのが機構法で、福島第1原子力発電所事故の賠償のために東京電力は値上げする方針とされる。菅政権は東電や官僚、金融機関の保護を優先、歴史に残る悪法を作ってしまった。
夕刊フジ 2011/9/1


日航LCC参入劇の舞台裏

 豪カンタス航空グループ、日本航空、三菱商事が合弁で格安航空会社を設立するとの発表に、主役はJALであるかのような報道が相次いだ。だが、実際の主役はカンタス。そもそも、今なお3500億円の政府出資が残るJALが主体となってライバルと安売り競争をすれば、市場の公正競争を歪める懸念がある。
夕刊フジ 2011/8/25


ANAがLCC参入で背水の陣

 来年は、低廉な運賃で国内外の飛行機旅行が楽しめる本格的なLCC時代が到来しているかもしれない。全日空はアジア最大のLCCと、成田空港を拠点とするエアアジア・ジャパンの設立に合意。分厚い規制に守られてきた日本の空が変わろうとしている。日本航空も商社や外資と組んでLCCに参入する。
夕刊フジ 2011/8/18


民主売国介入 KDDI株 中国の餌食も

 国内通信第2位のKDDIが狙われている。東京電力が保有するKDDI株の処分に政府・民主党が介入、国際競争入札による売却の検討に入ったという。中国政府の後押しを受けて世界中の主要企業に買収攻勢をかけている中国企業などが落札に乗り出し、将来的に日本の「通信主権」が脅かされる懸念もある。
夕刊フジ 2011/8/11


NHKが受信料大幅値上げ画策

“地デジ便乗値上げ”とでも呼ぶべきだろうか。「国策の地デジに対応してデジタルテレビを買ったら、NHKから受信料負担の重い衛星契約への切り替えを迫られた」という笑えない話が増えている。しかも、NHKは、数年越しの公約の10%値下げを反故にして、大々的な実質値上げに意欲を見せている。
夕刊フジ 2011/8/3


神戸市長が語る復興戦略

 阪神淡路大震災からの復興を着実に進める神戸市の矢田市長に聞いた。「震災復興では、新しい成長分野の取り込みも課題だった。13年をかけて、バイオ・ライフサイエンスとそれを支える医療産業都市を目指し、次は病院群の整備です。1、2期目と同様に、3期目も2万4000の雇用拡大を目指します」
夕刊フジ 2011/7/28


孫社長が風力参入公表しなかった理由

 孫正義社長のソフトバンクが鳴り物入りで公表した「電田構想」とは別に、水面下で風力発電事業への参入を準備していた。なぜ関係者は1カ月以上も前に終えた増資の公表を怠ったのか。ソフトバンクが菅首相ら国会議員に、再生可能エネルギー特別措置法案の早期成立をロビングしたことは広く知られる。
夕刊フジ 2011/7/21


孫社長風力発電に極秘参入

 孫正義氏率いるソフトバンクは6月初め、風力発電会社GPIに出資していた。孫社長が菅首相らに成立を働きかけている再生可能エネルギー特別措置法案が可決されれば、今後10年単位で収益を確保できる有望ビジネスになるという。ただ、GPIの大株主の中には、不快感をあらわにする企業もある。
夕刊フジ 2011/7/20


「日米欧サイバー同盟」障害は菅首相

 「アラブの春」を後押ししたインターネットを巡って、中国など新興国と米欧諸国の対立が深まる中で、日本は孤立の危機に陥っている。元凶は国際社会の激動を認識できず、延命行為に明け暮れる菅首相だ。サミットで各国首脳がサイバー同盟論議を繰り広げる中、菅首相は何も言えなかった。
夕刊フジ 2011/7/14


寄付の活性化目指す議員立法成立

 米国に比べて貧弱とされる「寄付」を日本でも浸透させよう―。そんな狙いを込めた議員立法が岸本周平衆議院議員を中心に提出され、全会一致で可決、成立した。すべてのNPOに認定資格取得の道を開き、寄付する人への税制優遇を拡充した。東日本大震災の復興支援の一助にもなりそうだ。
夕刊フジ 2011/7/7


再生エネルギー法のウソ

 菅首相は再生可能エネルギー法案を重要法案に位置づけ、“盟友”ソフトバンクの孫社長は太陽光発電に参入意欲満々だ。しかし、古文書のような法案に固執して一部の経営者に利益を誘導するのは政治家にあるまじき行為。原発の将来像の見直しや、技術革新を進めることこそ使命のはずである。
夕刊フジ 2011/7/3


総務省がアップル、グーグルに監視の目?

 欧米当局に比べて野放しの印象が強かったアップルやグーグルといった米企業の市場支配力の問題に、日本でも政策的な監視の網がかけられる可能性が出てきた。総務省が競争評価制度の監視対象にスマートフォン市場を加える方針のためで、背景には携帯からスマートフォンへの乗り換え争奪戦がある。

夕刊フジ 2011/6/30


今こそ「原発サンダーバード」設置を

 節電と値上げの2重苦か、原発の運転再開か――。二者択一を迫る「菅政権と電力会社」連合に、地方が不審を強めている。2者連合は威圧的で、国民の安全への不安は膨らむ一方だ。そろそろ事故が起きるリスクを覆い隠すのはやめて、本格的な事故対応など建設的な手を打つべきではないか。

夕刊フジ 2011/6/23


堀江被告の「罪と罰」は何か?

 堀江氏は「世の中は不条理」と冤罪を訴えるが、自社株売買益などを売り上げや期間損益に取り込む決算処理は言い逃れできない違法行為だ。株式の公開準備に入った段階から、厳格な売り上げや利益の計上を厳しく指導される。その常識を知らなかったという主張は、にわかには信じ難い。

夕刊フジ 2011/6/16


孫社長の「電田構想」を検証

 ソフトバンクの孫社長が全国の都道府県と組んで太陽光発電事業に参入する計画を打ち上げ、話題を呼んでいる。チャレンジ精神を評価する声の一方で、過去の失敗や苦しい資金繰りを根拠に、計画公表の真意や実現性に疑問符をつける向きも少なくない。本当は何をしようとしているのか検証してみよう。

夕刊フジ 2011/6/9


福島でも地震保険支払い加速

  ソフトバンクの孫社長が全国の都道府県と組んで太陽光発電事業に参入する計画を打ち上げ、話題を呼んでいる。チャレンジ精神を評価する声の一方で、過去の失敗や苦しい資金繰りを根拠に、計画公表の真意や実現性に疑問符をつける向きも少なくない。本当は何をしようとしているのか検証してみよう。

夕刊フジ 2011/6/9


福島でも地震保険支払い加速

 東日本大震災を受けて、損害保険各社が地震保険の支払い迅速化に努めている。岩手、宮城両県での一括審査のほか、福島第1原発事故の警戒区域を対象に、損害の自己申告に基づいて保険金を払う試みも実施しているという。損保各社は、業界の信用を回復する好機にしたい、とひたむきだ。

夕刊フジ 2011/6/2


平松大阪市長が語る「自治体の共助」

 大阪市の平松邦夫市長にインタビュー。東日本大震災では「震災当日に対策本部を立ち上げ、翌日、被災地に入りました。」「重要なのは市町村レベルの共助ではないでしょうか。現場密着型の基礎自治体の役人でないとわからない住民密着の行政サービスが多く存在するからです。」
夕刊フジ 2011/5/26


東電支援策が閣議決定されなかったワケ

 東京電力の原発事故の損害賠償に関する政府支援策は、法的根拠のない閣僚懇談会での了承にとどまった。あえて政府案の了承というパフォーマンスをせざるを得なかった狙いは、ただひとつ。東電の決算発表の席で、経営破たんしかねないとの意見を監査法人が表明するのを防ぐことだった。
夕刊フジ 2011/5/19


米市場でシェア食われる日本車

 回復が顕著な米自動車市場で、日本車の苦戦が鮮明になってきた。GMやフォードを始め韓国、ドイツなどのメーカーが販売を拡大する中、東日本大震災の影響で品不足に悩む日本メーカーは蚊帳の外。好機を活かせず、シェアを落としている。供給力の回復は秋以降にズレ込む見通しだ。
夕刊フジ 2011/5/12


電気料金年1万6700円上げの試算 政府案修正し東電の内部留保拠出を

 福島原発事故の損害賠償(補償)の支援計画(政府案)について、新聞は政府案の長所ばかりを報じており、電気料金の引き上げが必要という欠点の情報開示がない。修正の方策はいくらでもある。東電に4兆円程度の内部留保を返済資金として拠出させれば、8年分の値上げは不要だ。
夕刊フジ 2011/4/28


もたつく復興と消えた予備費投入案

 東日本大震災後の政府の混乱と無策に改善が見られない。中央の官僚たちは、重要で緊急性の高いものだけでも実現したいと予備費に目を付けた。総務省では、緊急の移動通信手段の確保や壊滅した自治体の通信網の復旧が、予備費活用作戦の候補にあがったものの、この努力は水泡に帰した。
テレコミュニケーション May 2011


ディズニーランドは首都圏に必要か

 震災に伴う経済の停滞が確実になる中で、迅速に東京ディズニーランドの営業を再開したオリエンタルランドに敬意を表したい。だが、6月以降に再び電力不足が深刻化するとみられる首都圏にあって、電力大量消費型の施設であることは気掛かりだ。移転構想が出て来てもよいはずである。
夕刊フジ 2011/4/20


ソフトバンクに問われる「復旧」姿勢

 東日本大震災からの復旧を急ぐ携帯電話業界で、ソフトバンクの孫正義社長の品格が問われている。きっかけは、サービス不能地域で、他社の設備を使って通信する「ローミング」の拡大を要求し始めたこと。「復旧が万全でなく、耐震性が弱いのではないか」と見る政府関係者もいる。
夕刊フジ 2011/4/14


地震保険と原発補償の明暗上からの押しつけ目立つ被災対応

 東日本大震災から約1か月。損害保険各社は業界をあげて異例の協力体制を敷き、迅速な地震保険の支払いを実現しつつある。対照的なのが、今なお危機的状況が続く福島第1原子力発電所事故の補償問題だ。長年、地域独占で巨額の収益を保証されてきた東電は、ロクな対応ができない。
夕刊フジ 2011/4/7


上からの押しつけ目立つ被災対応

 東京電力は計画停電を見直し「わかりやすくした」というが、詳細の情報がなく、問い合わせようにも案内ダイヤルには一向に繋がらない。利用者や従業員を無視した上からの論理を押し付けようとする経営姿勢は、独占企業ならではの傲慢さだ。監督する政府も似たり寄ったり。
夕刊フジ 2011/3/31


競争評価の見直しに反対し、失笑買うSB

 総務省が「電気通信事業分野における競争状況の評価」制度の見直しを開始した。ポイントは、新たにサービスやアプリケーションを含む上位レイヤーを対象に加える点だ。日頃、声高に競争促進を標榜しているソフトバンクが反対し、電気通信業界の失笑を買っている。
テレコミュニケーション April 2011


原発の次の課題は電力不足

 数年間続きかねない電力不足に対応するには、国作りをイチからやり直す覚悟と努力が必要。@首都機能や産業、人口の分散、ACO2排出が極端に少ない新型火力発電所の緊急大増設、B地域独占という電力行政の柱の根底からの転換――の3つを組み合わせることが考えられる。
夕刊フジ 2011/3/24


原発の盲点だった巨大津波

 阪神淡路大震災を踏まえて、原子力安全委員会が2006年にまとめた新耐震指針は津波を想定しおらず、福島第1原発の事故は巨大津波が原因になった可能性が高い。当初から設備廃棄を覚悟して米軍などから機材支援も受け、海水を注入、各原子炉の冷却を試みなかったことも悔やまれる。
夕刊フジ 2100/3/17


年金だけじゃない厚労省の緊急課題

 オーファンドラッグ(希少疾病の治療薬)の開発・供給が社会問題になりつつある。厚生労働省の対応が限定的で、欧米で認証されている薬さえ十分に利用できない状況が解消されていない。苦しい日々を過ごす患者や家族のことを考えれば、もっと抜本的で多様な対策が急務だ。
夕刊フジ 2011/3/10


小型家電リサイクル法制定の「悪乗り」

 環境省が小型家電製品のリサイクルを法的に義務付ける方針を打ち出した。しかし、粗大ゴミのような社会問題になる可能性は低く、回収見込みの希少資源もわずか。携帯電話では業界が自主的に無償の回収を行っていて、今さら新たに消費者に負担を強いるのは「大きなお世話」だ。 

夕刊フジ 2011/3/3


なりふり構わぬ?ソフトバンク商法

 「筋が悪過ぎる」と、ソフトバンクが永田町・霞が関で失笑を買っている。発端はNTT西日本―東海が昨年11月頃、ソフトバンクテレコムからユーザーを奪還したこと。その際に、法令違反があったとソフトバンクは疑ったのだが、同社のユーザー情報の扱い姿勢が問題になっている。

テレコミュニケーション March 2011


巨大取引所誕生で決断迫られる日本

 ニューヨーク証券取引所の親会社NYSEユーロネクストとドイツ取引所が経営統合に動き出した。実現すれば上場企業の時価総額で世界の3割を扱う巨大グループが誕生する。背景には超高速売買仲介システムの開発競争があり、東京、大阪の両取引所も戦略の再検証を迫られている。

夕刊フジ 2011/2/24


IMFが財政再建要求

 国際通貨基金が日本に財政再建を要求したのは異例の事態だ。国と地方の債務のGDPに対する比率は、2009年に217%と過去最悪の水準に膨らんだ。少子高齢化、人口減少、団塊の世代の定年退職が重なる中、安定的な財政運営に疑問符が付き、政策転換が必要な場面に直面している。

夕刊フジ 2011/2/17


10年超の「絆」が結実

 新日本製鉄と住友金属工業が2012年10月に経営統合することで合意した。製品ごとの事業統合や株式持ち合い、工場の繁忙にあわせた職員の相互派遣といった「ソフトアライアンス」が結実した。株主だけでなく従業員や顧客も大切にする日本的経営の復権を成し遂げてもらいたい。

夕刊フジ 2011/2/10


鳥インフルで見逃せぬ「サイン」

 ここ数年、毎年のように秋から冬は高病原性鳥インフルエンザの流行が繰り返されている。ところが、農林水産省の調査によると、備えが十分とはいえない。今年の例では、防鳥ネットに隙間や穴があって内部でネズミが見つかったり、農場で靴の履き換えや作業着交換を怠っていた。

夕刊フジ 2011/2/3


今こそ青田買いと決別を

 大学生が16か月前後に及ぶ就職活動を強いられている問題について、先に経団連が打ち出した改善策は、実効性が乏し過ぎる。このままでは大学生たちが修学の機会を損なわれるだけでなく、企業も未成熟で内向きな人材しか確保できず、自らの首を絞めることになりかねない。

夕刊フジ 2011/1/27


V-Low帯、携帯電話に開放も内閣改造

 新しい放送メディアを目指すV-Lowマルチメディア放送が、携帯電話会社の音楽配信サービスなどに開放される可能性が出てきた。総務省はこれを前提にした意見募集を始めており、通信事業者も放送分野の話と決めつけることなく、制度作りに参加する必要がありそうだ。 

テレコミュニケーション February 2011


足元の国会対策軽視した内閣改造

 菅首相は内閣再改造を行い、6月をめどに、消費増税を前提にした社会保障改革の青写真や環太平洋経済連携協定(TPP)参加の是非に結論を出す考えを強調した。しかし、まず国会審議を軌道に乗せて年度内に予算や予算関連法案を成立させないと、経済や社会が混乱に陥りかねない。

夕刊フジ 2011/1/20


混迷するNHK会長人事

 NHKの次期会長選びが混迷している。最有力候補だった安西祐一郎氏の個人的資質に疑問が生じたとして、経営委員会が安西氏に就任辞退を要求、安西氏も就任を拒絶した。しかし、安西氏にはもっと大きな問題があった。政府が応援団で、NHKの政治からの独立が脅かされかねないのだ。

夕刊フジ 2011/1/13


菅首相の「反面教師」オバマ減税AL支援

 今年の経済成長率で独り負けが確実な日本経済だが、反面教師にしたい経済政策がある。目先の痛みどめの誘惑に打ち勝てず、将来に重い負担を押し付けたオバマ米大統領の大型減税(ブッシュ減税)継続だ。米連邦政府が背負い込む財政負担は半端なものではなく、真似るのは安易すぎる。

夕刊フジ 2010/1/6